GunsN’Roses 2022年11月5日@さいたまスーパーアリーナ

GunsN’Roses(ガンズアンドローゼズ)の11月5日のライブに行ってきました。

以前書いた記事の通りガンズは死ぬほど好きです。

男の哀愁 ガンズアンドローゼズと共に年を取る。

関西を含む前回(2017年)の来日と異なり、今回はさいたまスーパーアリーナで2公演のみ。

これまでライブで遠征はしたことがなかったし、行くとなるとチケット代だけでなく、交通費や宿泊費も必要。

結構なお金がかかるので、ガンズ好きの友人たちと話あったのだが、約3秒で「行くしかない」と即決。

1枚のCDを貸し借りしあっていた学生ではなく、おっさんとなった我々の決断は早かった。
躊躇なくチケットは1枚35,000円のゴールドにした。

2022年最大の楽しみということもあり2週間ほど前から仕事は適当に「とにかくコロナにだけは感染しない」をモットーに過ごす。

そして11月5日の朝、新大阪に集結。

新横浜駅付近でスジャータの武器になりそうなくらい硬いアイスを買ってしまうというアクシデントはあったものの無事に東京入り。(案の定アイスは完食できず)

酒の酔いもあり浮かれに浮かれた我々だったが、かろうじて残っていた理性で

「物販に並ぶ」俺と

「帰りを考えて大宮に荷物を置きに行く」友人たち

の二手に分かれて行動することになった。

これが運命の分かれ道になった。

ブルーノ・マーズと違い、黒いバンドTシャツかライダースジャケットしかいない客層に頼もしさを感じながら物販に向かうと・・・・

待機列がドーム半周くらいになってる!!

Twitterを見たら「3時間並んだ」という衝撃の内容がツイートされている!!

とはいえ、みんなに買い物を頼まれているし、俺も前回の来日時はお金がなくてパンフ、バッジ、キーホルダーしか買えなかったので今回は奮発してTシャツを2枚欲しい。

「実際1時間半くらいで買えるだろう。」と思い並んだものの・・・・

やっぱり列は少しづつしか動かない。

運営に怒鳴っている人もいた。

確かに運営に問題はあったが、前回の来日の物販で並んでいた人の大半がBABYMETAL目当てで肝心のガンズはあまり並んでいなかったことを考えると想定外だったのだろう。

なお、大宮組とは逐一状況を報告しあっていたのだが、寒空の中並んでいる俺と対照的に中華料理店で飲んでいたらしく「現在の状況」としてビールや餃子、チャーハンの画像を律儀に送ってくれた。

殴ってやりたかった。

やっとレジが見えた時に、この光景を見て絶望する。まだまだ先やん!!

時間は16時50分、前座のラウドネスが始まる。

ラウドネスも好きなバンドだ。(4期が好きだったりする・・・)

大宮組からも「もう物販は諦めて戻ってきてもいいぞ!!ラウドネス始まるぞ!!」と電話がかかってくる。

めちゃくちゃ悩んだ。実際に断念して列から離脱している人もたくさんいた。

「ここまで並んで諦めるのは良くない、俺は必ずTシャツを買って戻る。

ラウドネスは・・・大阪公演が発表されたら観に行く(泣)」と伝えた。

まさかのラウドネス断念・・・。Crazy Nightで「MZA!!」と叫べない。

失意と怒りに満ちた中で並び続けるが、時間は開演の18時になりつつある。

「お願い・・・アクセル・・・・今日だけは昔を思い出して1時間くらい遅刻していいよ。」

もしくはスラッシュが2002年のサマソニのバケットヘッドばりにホテルにヌンチャクを忘れて取りに帰ってくれないだろうか・・・・と願っていた。

やっとレジ直前まで行けたのが17時45分。

もうガンズが始まるかもしれないというのに、俺の目の前でライブあるあるの「物販を時間をかけて吟味するおばさん」にエンカウント。

何度もTシャツを手に取ってサイズを確認するおばさんにセントルイスのアクセルばりに掴みかかりたくなる。

やっと買えたのが17時56分。開演まであと4分。

買う予定のなかった「中学生の家庭科の実習みたいなクオリティ」のトートバッグを追加で買ってTシャツを詰め込んだ後、猛ダッシュで走る。

走る!

走る!

走る!

ゲートを突破して会場内でも

走る!

走る!

走る!

座席はどこだ!?

アリーナについてもまだ走る。

係員に聞いてやっと自分の座席を把握する。

ちかっ!!

想像をはるかに超える前でしかもスラッシュ側だった!!!!

限りなくゼロだった体力が瞬時に回復する。

先に席についていた友人たちと合流。
「Tシャツありがとう!!俺らも間に合うかなーって焦ったわ。って何そのトートバッグ!?ださっ!!
「うるせぇ、このトートバッグがないと走れなかったんや!!って最高やん!!席!!

これまでのわずか3時間で

・寒い中、長時間物販を並んでラウドネスを諦めた上に全力疾走した俺
・大宮付近の中華料理屋でしこたま呑んで、いい気分でラウドネスを見た友人たち
と思い出に大きく差が開いていたが、一瞬でチャラとなった。

ロゴが動き出していよいよかと思ったら動作確認だったというフェイントがあったものの、わずか20分遅れ(!?)でライブ開始。

観客は超満員、暗転しただけで尋常じゃなく盛り上がっている。

来た!!!!!!!!!!!!!!!!!

It’s So Easy!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

アクセル!!!!!!!!!!

スラッシュ!!!!!!!!!!!!!!!

ダフ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

めちゃくちゃカッコいい!!

2017年の時は遠くの方で「本当はもっと近くで観たかった」と寂しい気持ちで唐揚げを食べながら見ていた。

たった今、ガンズがめっちゃ近くにいる!!

アクセルの隣でギターを弾くスラッシュ!!

中学の頃から思い描いていた光景が現実になっている!!

It’s So Easyのギターソロ前のお馴染みの「Fuck Off」
南米のライブかってくらい盛り上がっており、会場全体が「Fuck Off!!」と叫んでいる。

昔からアクセルがしかめっ面で中指を立てて叫ぶのがお決まりだが・・・・

反応の良さに驚いてる!!

その直後、両腕でガッツポーズするアクセル!!

おそらくバンドにも事前に「感染症対策もあり観客の反応は良くないと思う」と言われていたのだろう。

日本とは思えない異常な盛り上がりにアクセルが笑顔で歌っている。

続くはMr,Brownstone。個人的にガンズで一番好きな曲。

曲中に何度も声質が変わるボーカル、弾いてみるとなかなか難しいギターリフ。

グルーヴィーでシンプルそうに見せて実は凝ったロックンロール。

各自のソロ活動でも取り上げられやすく、スネイクピット、Velvet Revolver、スラッシュソロ、Adler’s Appetiteなどいろんなバージョンを聴いてきたが、やっぱアクセルのくねくねダンスとスラッシュのワウペダルたっぷりのギターが揃ってこそ本物だと思う!!

とことん興奮した後はなんと、Velvet RevolverのSlither!!

ロックの歴史を考えても「メンバーが脱退していた時に所属していたバンドの曲を演奏」とケースは非常にレアだ。Deep PurpleがRainbowの曲やることないもんね。

バンドの関係がとても良いことを証明する1曲だ。

スコット・ウェイランドはもういないのでアクセルが歌ってくれて感謝。

続いて「Chinese Democracy(チャイデモ)」がスタート。

「いつ出るのか」と言われ続けたアルバムも発表されてもう14年経ったと思うと時間の速さに恐ろしくなる。ちなみにいまだにロック好きで集まると「チャイデモはありかなしか」という話題が必ず始まるので、酒の肴としても抜群だ。

ちなみに俺は聞いた当初はタイトル曲くらいしか印象が良くなかったが、凝った内容なので聴けば聴くほど好きになっている。

今更悔やんでも遅いがアクセル一人時代のライブも行くべきだったと思っている。

ライブだとキーボードのメリッサ・リーズのコーラスが良い。

スラッシュがリンク・レイのRumbleを弾き始めると・・・

ガンズといえばこれ!!Welcome To The Jungle!!

ありえないくらい盛り上がる観客。

「このご時世で・・・」と批判的な意見も出てくるだろうが、断言できる。
あの会場は間違いなく除菌されていた!!

「ここがどこかわかるか?ジャングルだベイベー!!そしてお前は死ぬ!!」
と物騒な事を叫んでいるアクセルだが、めっちゃ笑顔。

観客に中指ではなく親指を立てている。

前回のライブで「バッドボーイズが年を取ってお互い笑いあってるし太っている。
大人になった事のカッコよさと、ほんの少しの寂しさが混在した哀愁漂うライブだった。」と評していたが、この日は違っていた。

観客の異様な盛り上がりはもちろん、ガンズがめちゃくちゃ上手くなっていた。

アクセルの声は出まくりだし、スラッシュのギタープレイは世界遺産レベル。
若いころよりはるかにうまくなっている。

ダフは90年代よりカッコいいし、スラッシュのギターに抜群の合いの手を入れる、達人リチャード・フォータス。回転したり、ギターを殴るように弾くステージアクションもカッコいい。

歴代のドラマーのスタイルに合わせながらリズムが心地よいフランク・フェラー
そしてキーボードだけでなく、パーカッションやらコーラスやら多彩な職人芸を見えるディジー”勤続32年”リードとメリッサ・リーズ

過去最高なんじゃないかというくらい演奏が上手い。

Double Talkin’ Jiveと Live and Let Dieと「Use Your illusion」2連発。

ガンズはカバーのチョイスが、マニアック過ぎずベタ過ぎずなのが憎い。

今思えばパンクを知ったのはガンズのおかげですね。

ちなみにビートルズ関係のカバーで行くとギルビー・クラークの2ndのHappiness is warm a Gunもかなり良いので未聴の方は是非!!

初期の名曲Reckless Life!!

これまで日本では聴けなかった曲だったはず。

シンプル過ぎてあまり印象がなかったがライブで聴くとカッコいい。

アクセルとスラッシュは太ってもなんでこんなにカッコいいんだろう。
見ているだけで胸がどきどきする・・・と思っていたらディジー・リードもさり気なく太っている事に気づく。

髭を生やしてからはヴィンセント・ギャロみたいで若い頃よりカッコよくなっているディジーだが、今回はハリポタのハグリッドさんみたいなプリティーもじゃもじゃだった。

ちなみにTシャツがThe Hellacoptersだったのでさらに信頼するようになった。

そして始まったのはEstranged

学生の頃はMVの海から出てくるスラッシュに爆笑していたが、タイトルの「疎遠」の通り、当時のアクセルの離婚だけでなく、バンドメンバーが大成功で「友達」じゃなくなってきた寂しい気持ちも含まれていたのかなーと思うと、今の和やかな雰囲気のバンドでアクセルが気持ちよさそうに歌っているのはじーんと来るものがある。

「つらかった時期の曲」から「知り合ったばかりの楽しかった頃の曲」と言わんばかりにShadow of your love!!

これかReckless Lifeかどっちか忘れたが、バックの映像がどうみてもバイオハザード2だったのがまだ気になっている。

うちの嫁曰く「転調してからが最高になる曲」のRocket Queenに続いて、ターミネーター2でお馴染みのYou Could Be Mineで昇天!!(後ろの映像は爆走するミニ四駆だった)

本当にガンズは名曲ばっかりだなと友達と言い合う。

そしてアクセルの紹介でいよいよダフのAttitude!!・・・かと思ったらイギーポップの I Wanna Be Your Dogだった。

これはこれでレアなのでうれしいけど、ちょっと拍子抜けしたのと、何よりステージの奥にいるスタイル抜群の女の人(ダフの奥さんのスーザン)が気になって仕方なかった。

聴けば聴くほど好きになる新曲AbsurdとHard Skool

さりげなく「チャイデモ」から13年後に発表と、「Oh,My God」から「チャイデモ」より遥かに長い期間をかけて発表された2曲。

賛否両論だが俺は好きだ。ただHard skoolの曲中のバックの映像はどうみてもスーサイド・スクワッドのハーレイクインだった。

Civil warは正直全然好きではなかったのだが、めちゃくちゃ良かった。

ライブでは普段興味がなかった曲が好きになるのが楽しい。これまで飛ばし続けていたが11月5日以降は何度も聴いている。

この後にメンバー紹介があったのだが、アクセルが絶好調で唯一の女性メンバーのメリッサを
「My Love メリッサ・リーズ!!メリッサ・リーズ!!メリッサ・リーズ!!」と何度も紹介していじっていた。

ガンズでこんなに和やかなメンバー紹介は観た事がなかったので本当に今のバンドはうまくいってるんだろうと思った。

照れて顔を隠すメリッサもかわいかった。

スラッシュの弾きまくりのギターソロの後は

地球上で最も美しい曲の1つSweet Child o’ Mine!!!!!!!!!!!!!

今年に入ってギターで練習しまくっていたことや、先日死んだインコのチャー子を思い出して泣きそうになったのが、アクセルがAKIRAのTシャツを着てきたので泣かずに済んだ。

ありがとう、アクセル!!Where do we go?と聞かれたら「これからもずっとついて行きます」と答えたい。

November Rainではスマホのライトがめちゃくちゃ多くてイルミネーションみたいだった。
そしてそれを観てやっぱりめちゃくちゃ嬉しそうに歌っているアクセル。

Knockin’ on Heaven’s Doorでリチャードのギターのかぶせ方に「イジーもギルビーも恋しいけどこの人残したのは英断だな」とかみしめる。本当にうまい。

大学生の卒業ライブでコピーしたNightrainで本編終了。
アクセルの投げたマイクをつかんだ人が羨ましかった。

アンコールはなんとComa!!ここであの長丁場の曲をやるんだ!!と驚いていたら更に驚いたのが
突如スラッシュ、ダフ、リチャードによるガンズアコギ部が発足!!

まさかのBeatlesのBlack Bird。

友達が「ガンズ・・・めっちゃ渋くなってるやん」と感激していた。
そのままPatienceへ。これまたアクセルのボーカルが絶好調。

ガンズは30数年の時を経て「プロの音楽集団」になっていた。

最後はお馴染みのParadice City。
紙吹雪はなかったけどめちゃくちゃ楽しかった。

ピックを投げてくれたけど飛距離が身近過ぎて取れなかったのは残念だけど
満面の笑みでお辞儀をするバンドの姿は神がかっていた。

「最高だった」と大興奮の我々はそのまま銀座に繰り出し朝の4時まで遊んだ。
本当に高校や大学の頃に戻ったかのように遊んだ。

ホテルに帰ってからも写真や動画を見て今日の思い出に浸っているうちに全員気絶。

2022年最高の1日はこうして終わった。

翌日「明日から何を楽しみに生きればよいのやら。」と言いながら関西へ帰った。

6日のライブではBetter追加、Patienceの代わりにDon’t Cry
I Wanna Be your Dogの代わりにAttitude

何よりメンバー紹介で「ギター、えーっと誰でしたっけ?」とまさかのスラッシュいじりだったらしい。

あー観たかった!!

人生でも屈指のベストライブだった。

アクセルもスラッシュも太ったけど、相変わらずカッコよかったし、バンドは過去最高レベルになっていた。

ガンズは伝説のバンドじゃない。現在進行形のロックの王者だった。

来年も来てくれ!!

Nov. 5, 2022 Setlist
at Saitama Super Arena, Saitama, Japan
1. It’s So Easy
2. Mr. Brownstone
3. Slither(Velvet Revolver cover)
4. Chinese Democracy
5. Welcome to the Jungle(Link Wray’s “Rumble” intro)
6. Double Talkin’ Jive
7. Live and Let Die(Wings cover)
8. Reckless Life
9.Estranged
10. Shadow of Your Love
11. Rocket Queen
12. You Could Be Mine
13. I Wanna Be Your Dog(The Stooges cover)
14. Absurd
15. Hard Skool
16. Civil War
17. Slash Guitar Solo
18. Sweet Child o’ Mine
19. November Rain
20. Knockin’ on Heaven’s Door(Bob Dylan cover)
21. Nightrain
Encore
22. Coma
23. Patience
24. Paradise City

このヴィンテージ風のエクスプローラーカッコよかった。新しいスラッシュモデルかな?