デッドプー太郎です。
「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」が公開されました!!(2週間前に)
今となってはすでに2,3回観た人もいると思うのでネタバレ全開で書こうと思う。
前作「ブラック・パンサー」といえばティ・チャラ(ブラックパンサー)が謎の汁を飲んだり滝で殴りあったり、王位を奪われかけて謎の汁をおかわりしたり、ペットがサイの友達がいたり色々あって、真の国王になる良い話でした。
中でもヴィランであり、全身がレゴブロック。目的のためなら彼女も平気で殺すインテリサイコパスのキルモンガー(マイケル・B・ジョーダン)が
「親父が言ってた。ワカンダの夕日が世界で一番キレイだった。
笑えるよな。俺は親父のおとぎ話をずっと信じてた。」
と言うラストで涙腺が爆破。
なんて泣かせることを言うんだ!!と思ったら監督が「クリード」のライアン・クーグラーだった。
その翌年「クリード 炎の宿敵」でも声が出そうなくらい泣かされて、ライアン・クーグラー&マイケル・B・ジョーダンコンビは俺にとって危険な組み合わせとなった。
地元大好きのティ・チャラと海外を回った結果、人生観が変わり過ぎた元カノであるナキアの絡みがピュアで「性が乱れていない!!なんて清らかな男女関係なんだ」と感心していたが、それも納得。
その後、作品はアカデミー賞7部門ノミネート、3部門受賞と評価も高く映画におけるアメコミ原作映画のポジションを高くする重要な作品となった。
ブルーレイを買うほど好きな映画だったが、しばらくしてTwitterで
「女目当てで「映画好き」と言ってそうな奴」が映画サークル的なイベントで飲みのコールみたいなノリで「ワカンダ・フォーエバーwwww」と叫んでいる動画を見て寒気がした。
あれからというのもののブラックパンサーを思い出すと映画と一緒にあの脂ぎった顔を思い出すのが残念だ。
あれから4年、次作「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」が晴れて公開。
俺は映画の中に「真のジェントルマン」を見つけて感激した。
「海パン覇王」ことネイモアです。
古くからのアメコミファンには「サブマリナー」と言う名前で知られている彼。
実はマーベルの中では最古参で1939年から登場。(アクアマン(1941年)より古かったりする)
特徴は鋭い眉毛、生え際、そして海パン。
何年前だろうか、コミックを読んでいると自信に満ちた表情と食い込み気味のグリーンのビキニでこちらを見つめる彼と遭遇してしまい「これはMCUには出ないで欲しい」と願ったものだが、ついに出てしまった。
本作でのネイモアは海底王国タロカンの王として登場。
海パンの食い込みこそ抑え気味だったものの、水陸はもちろん、足首のセキセイインコくらいの羽でアイアンマンばりに飛べる実力、信頼共にマックスの男だった。
本作は、ブラックパンサーだったチャドウィック・ボースマンが若くして逝去したため、色々なところで語られている通り、全体的に彼の追悼ともいえる世界観。
テーマが「愛する人が亡くなった時からの再生」と言う事でどうしても影は薄くなるし
作品の位置づけ的にはヴィランになってしまうのだが、ネイモアは男が惚れる男だった。
そもそも陸地を追われて海中で生活するようになったネイモア&タロカンピープルだが、
ヴィブラ二ウム発見レーダーの開発により、存在がバレてしまう。
同じく世界中から「ヴィブラ二ウムをわけろ!!」と表でも裏でも嫌がらせを受けているワカンダに共感する部分もあり、抵抗した妹パンサー(シュリ)を出来るだけソフトに拉致。
ネイモアは目覚めた妹パンサーに自らタロカン観光を開催。
王兼ツアーガイドとして働き、警戒を解いた上で「理不尽な事をされるのは困るし、レーダーを開発した娘を引き渡すか、一緒に手を組んで人類を力づくで支配しませんか?」と感情的にならず落ち着いて交渉するネイモア。
しかし王を失った直後のワカンダは全く冷静ではなかった。
「妹パンサーが誘拐された!!」とママパンサー(ラモンダ)はブチギレ、救出のためにタロカンガールが殺されるという事故が発生。
「こっちは大人しく生活していただけなのに何なんですか?ここまでケンカ売られたらさすがに買いますよ」と警告のため冷静にワカンダの一部を水没させる。
結果、ママパンサーが犠牲になったので、妹パンサーは絶滅したはずの「ワカンダ謎汁の素」を科学の技術を総動員して復刻。
復刻版謎汁を一気飲みして正式にブラックパンサーとなる。
戦いの準備は整った!!ワカンダの民をワールドカップ開催中のサポーターばりにフィーバー。
騒動の元凶であるヴィブラ二ウム発見レーダーの開発者リリ・ウィリアムスもワカンダを積極支援。
オコエスーツなど新装備をリリースするだけでなく、自ら手作りアイアンマンスーツで戦闘に参加。
ワカンダ対タロカンの全面戦争が開催。
元を辿ればどちらも被害者という悲しい争いはやがてシュリVSネイモアの一騎打ちに。
お互いがボロボロの中でシュリが優勢になった時「降伏しろ!!そしたら戦いはやめてやる!!」と絶叫。
あらゆるメディアで「悲しみや憎しみを乗り越えたシュリが王として成長するシーン」と解説されているが、俺の考えはちょっと違う。
そもそも先に手を出したのはワカンダだし、なにより言い方があるだろう。
戦争であろうが、身近な友人であろうが、トラブルの元は相手への想像力の欠如だ。
たとえば自分の事でしか考えない、気遣いに感謝しない。お礼も言わないなどからケンカになったり、もしくは距離を置くという経験はないだろうか。
本作のワカンダの皆さんはティ・チャラが亡くなったこともあり感情的だ。
あの普段は気高いママパンサーでさえもオコエ姐さんを感情のままにボロカスに罵って泣かしていた。
シュリは自分の技術で兄を救えず、悲しみと自己嫌悪に陥っている中で更に母親も失い、
不幸の絶頂。相手の気持ちを考える余裕はない。
ネイモアとの闘いでは戦争は自分が止めないとという気持ちが芽生える中で、
「殺さないにせよせめてプライドはズタズタにしてやりたい」
という気持ちは消せなかったのだろう。
しかしネイモア側からしたらケンカを売られて国民は殺されるし理不尽でしかない。
おまけに自分からやっておいて「降伏しろ」と言われる。
シュリが「この辺でお互いやめませんか?」といった言い方なら俺も受け取り方が違っていただろうがあのシーンはシュリが感情的過ぎると思った。
そこでネイモアはやり返さず降伏する事を受け入れる。
案の定、戦いが終わってから国民から「なぜ降伏した」と反発の声があがったが、論理的に説明するネイモアの気骨に感動した。
やはり海パン一丁で殴り込みができる男は器が大きい。
仕事でもプライベートでも堪える事が多くなった今、ネイモアに共感したし、あの我慢と国民へのメンタルケアは見習わないとと思った。
自分の感情に左右されず将来を見据えてグッと我慢するネイモアにはMCUの中で一番「大人」を感じた。
本作ではヴィラン扱いだが、今後の続編ではその器の大きさでアベンジャーズを牽引して欲しい。
もちろん海パン一丁で。
ちなみに同時期にネイモアと真逆の男も見つけた。
「仮面ライダーBlack Sun」のスズメ怪人だ。
女に支えてもらってばかりで自分はというと甲高い声で泣き叫んでいる。
さっきまでゲロを吐きながら泣いていたくせに、女が少し弱気な事をいうと急にどや顔で「いつでも俺のこと頼ってよ」と言う。
ああいう奴が将来自分は働かず女の金で生活するどころかギャンブルにつぎ込むのだと思う。
最後に
俳優・キャラクターへの追悼という意味で最高の作品で「ワイルドスピード/スカイミッション」のような感動もあったラストだが、国際化が進んでファッションも外国風になったナキアさんがシュリにティ・チャラとの息子を紹介。
驚くシュリ。
教えられてなかったの!?
さすがに家族にはそういうことは報告するでしょ!!それはあかんでしょブラパンさん!!
別に家族関係悪かったわけでもないのに子供出来たことを内緒にするのはダメだろう。
とモヤモヤして終わった。